「わしが王ではなく、おまえが王の息子でなければ、こうはならなかっただろう…」
李朝最大の謎──父と子の涙に秘められた、歴史を揺るがす惨劇の真実とは?

第21代王・英祖(ヨンジョ)と、その息子・思悼世子(サドセジャ)、そして思悼の子として朝鮮後期最高の聖君となる第22代イ・サンの誕生まで、56年間にわたる歴史に存在した人々の心情を丁寧にひもとき、韓流時代劇ファンには広く知られている1762年の「米びつ事件(壬午士禍)」を中心とした史実を新たな視点でひもとく壮麗なるドラマティック史劇!
英祖を演じた名優ソン・ガンホは、『観相師』に続く時代劇で初の国王役に挑み、実在した名君の40〜80才代の姿に変身しながら鮮烈な生命を役柄に投影。父の愛を渇望しながら狂気に巻かれていく王子役ユ・アインは、すべてを圧倒する凄まじいオーラを放ち、見事「青龍映画賞 主演男優賞」を受賞。共に演技派である二人の初共演作にふさわしい魂の激突を存分に披露する。
朝鮮王朝最大の父子の確執として記録され、家族である以前に王族であらねばならなかった苦悩、男たちを囲む女たちの生き方、明日の命も知れぬ党争など、単なる歴史の再現ではない、歴史を超越した緊迫のヒューマンドラマが現在と過去を行き来しながら展開する。



本作を映画と思うなかれ。
自分の家族の物語だったら...という目で観てほしい!
誰もが知りながら、誰も正しく知ることがなかった
“史劇を超えた家族史”──
映画『王の涙 イ・サンの決断』やドラマ「トンイ」「イ・サン」などで幾度となく描かれてきた英祖。これまでの人物像は、“偉大な人物でありながら息子を殺した王”というものばかり。だが本作では、時に暴言をまき散らし、時にジレンマにさいなまれる“人間”としての姿を大胆に映し、英祖に対するまったく新しい解釈を初めて打ち出した。
王家に生まれたがための束縛、親子として接することも許されぬ悲嘆、権力闘争の中心で絶えず襲われる孤独感...。06年に韓国歴代観客動員数1位を記録した大ヒット映画『王の男』で時代劇神話を作り出した名匠イ・ジュニク監督は、56年間にわたる本作で、歴史の事実を9割反映、残り1割は考証では説明できない人物たちの細かい心理描写や感情表現のみという高密度なリアリティを追求した。「現代にも通じる普遍的なテーマで“世代間の理解”を伝えたかった」という監督の言葉の通り、激動の歴史を背負ってしまった者たちの史劇を超えた家族史は、英祖に焦点を当てると親の心情が見え、世子に焦点を当てると子の心理が見えてくるのだ。
国民的俳優ソン・ガンホは英祖を演じながら「王がこんな言葉を使ってもいいのか?」と思ったこともあったが、王といえども人間だし父親なのだと考え、普段のお父さんがするような愚痴や放言などヒューマンなキャラクターを体現化している。そんな先輩を間近で見ていた息子役ユ・アインは、ソン・ガンホが英祖の肖像画とあまりにも似てきたと驚愕。自身も演技魂に火がついてしまったユ・アインは、感情を沸騰させた神がかり演技で史上最高レベルに達した。ラストシーンを扇情的に飾るイ・サン役ソ・ジソブは、登場シーンは多くないものの、自分の役が重要だと感じてノーギャラで出演。涙で濡れたようなジソブの瞳は様々な感情を完璧に表現し、深い余韻を残しながら本作の幕を下ろすに至った。
「王の運命」は「うんめい」ではなく「さだめ=定め」。この邦題の読み方へのこだわりが意図とするところは、本作を観ていただければお分かりいただけるはずだ。

■王の運命 -歴史を変えた八日間- 予告編


(TEXT by Yasue Miwa 2016/5/30)




王の運命 -歴史を変えた八日間-
The Throne

2016年6月4日(土)公開
ハーク
http://www.ounosadame.com

2015年/韓国/115分
©2015 SHOWBOX AND TIGER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

【ストーリー】
朝鮮第21代国王の英祖は40才を過ぎてから生まれた世子(=王位継承者)を、自分と同じく学問と礼法に秀でた後継者に育てあげようとする。だが王の望みとは裏腹に、世子は芸術と武芸を好む自由奔放な青年へと成長。英祖が抱いていた世子への期待は怒りと失望に転じ、世子もまた、親子として接することのない王に憎悪にも似た思いを募らせていく。心のすれ違いを埋められぬまま二人の関係は悪化の一途をたどる。小さな衝突は大きな確執へとふくらみ、世子を失脚させようとする反対勢力の策略も加わり、ついに歴史を激震させる出来事が訪れる。王、王の子、王の孫のあいだで「救うべき命」「捨てられる命」「守らねばならぬ命」の明暗が分かれ、1762年7月4日、悲劇の八日間が始まる──。

監督:イ・ジュニク





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