愛が見えない街で、私は未来を探していた。
第88回アカデミー賞作品賞・主演女優賞・脚色賞ノミネート!
アイルランドからニューヨークへ渡った少女の成長を描いた感動のドラマ。

ヒロインを演じるシアーシャ・ローナンは本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネート!原作はイギリスまたはアイルランド在住の作家に与えられる文学賞、コスタ賞に輝いた、コルム・トビーンの同名小説。『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』の原作者で、『17歳の肖像』『わたしに会うまでの1600キロ』などで脚本家としても活躍する作家のニック・ホーンビィが脚本を担当、監督は『ダブリン上等!』のジョン・クローリー。



才能と気品にみちあふれた正統派女優、シアーシャ・ローナン
舞台は1950年代、アイルランドの田舎町で母と姉と暮らす地味で控え目な少女エイリシュは、姉の勧めで単身ニューヨークへと渡り、アイルランド移民の多く住むブルックリンで暮らし始める。
今年日本でも公開された映画『キャロル』も1950年代のニューヨークが舞台で主人公のテレーズはデパートで働いていたが、エイリシュも同じようにニューヨークのデパートで働き出す。デパートで働く女性は急速に経済が成長する50年代の象徴的な存在だったのだろう。
本作は、ストーリー自体は何のひねりもない一人の女性の成長物語なのだが、50年代の古き良きアメリカの生活風景やアイルランド移民の歴史がさりげなく描かれていて、静かな語り口ながらも物語に引き込まれて行く。

主人公のエイリシュを演じるシアーシャ・ローナンは、アイルランド人の両親の元、1994年にニューヨークで生まれ、3歳でアイルランドに移り住んだ。22歳の若さながら、13歳のときに『つぐない』(2007)で、無垢さと残酷さを併せ持つ少女を巧みに演じて第80回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、衝撃的なデビューを飾った。そして、ピーター・ジャクソン監督の『ラブリー・ボーン』(2009)の主役に抜擢され、14歳で殺されてしまった主人公の少女という難しい役どころを演じている。その後、『ハンナ』(2011)『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)などに出演するも、子役から思春期に差しかかり、演じる役の選択に少し足踏みしている印象を受けていたが、本作の演技でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ大人の女優へと華麗に転身を遂げたと言えよう。
彼女の演技は、大仰でもなく、エキセントリックでもなくとても静かだ。だが、そのまなざしや振る舞い、佇まいから放つ輝きは、同世代の女優たちとは一線を画している。間違っても、アメコミムービーなどに出演してほしくない。数少ない正統派女優として、これからの活躍に期待したい。

(TEXT by Miyuki Homma 2016/7/2)




ブルックリン

2016年7月1日(金)公開
20世紀フォックス
http://www.foxmovies-jp.com/brooklyn-movie/

2015年/アイルランド=イギリス=カナダ合作/112分
TM and © Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
© Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

【ストーリー】
アイルランドの田舎町で暮らすエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、内気な妹の将来を心配する姉ローズ(フィオナ・グラスコット)のすすめでニューヨークに渡ることを決意する。大都会ニューヨークでの生活に戸惑うエイリシュだったが、イタリア系移民の青年トミーとの出会いをきっかけに洗練されたニューヨーカーに生まれ変わっていく。幸せの絶頂にあるエイリシュにある日故郷から悲報が届く。

監督:ジョン・クローリー





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