『サラの鍵』原作者のベストセラー小説を映画化!
もし、語られてきた家族史がすべて偽りだとしたら──?
第23回東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞をW受賞した『サラの鍵』の原作者タチアナ・ド・ロネのベストセラー小説を、『クリムゾン・リバー』のローラン・ラフィットや『人生はビギナーズ』のメラニー・ロランなどフランスの実力派俳優を迎えて映画化。
正面から向き合うほどに深まっていく家族間の溝と、じわじわと炙り出されていく“偽りの家族史”。自分と周縁の複雑な想いが絡み合う中で浮かび上がってくる母のもう一つの顔と、死の影に隠蔽された衝撃の真実。過去と現在が交差し、緊張感あふれる映像で綴る珠玉のサスペンスでありながら、誰もが抱える感情の機微を丁寧に描き出し、真実を掘り起こすことで心の解放と救いをも得ていく姿を描いた上質な人間ドラマだ。
舞台となるのは、木々や太陽に照らされた美しい海が広がる、フランス大西洋岸に位置するノアールムーティエ島。自然豊かな西仏らしい景色なども見どころのひとつとなっている。



──亡き母の憧憬に囚われた兄と妹が見た真実とは?
『ミモザの島に消えた母』と、どうしようもない家族の業──
あの日、あの時、あの場所で、母はどうして死ななければならなかったのか・・・。
子どもにとって幼い頃に経験した「母親の死」は心にたまった澱のようなものだ。もし、死の真実が他にあるという疑念を抱いてしまったら、真相を探らずには一歩も前に進めない。そんな心境だろう。

??「海の道」での悲劇。
主人公は30年前に母親を溺死で亡くした兄と妹。舞台は兄妹の故郷であるフランス西部の避暑地・ノアールムーティエ島で、「ミモザの島」の別名を持つ。この島には橋がなく本土とは隔離されており、10kmほどありそうな唯一の道路は満潮時には水没してしまう。当然、満潮時には島の警報が鳴るのだが、母親はその道を横断中に溺死した。どうして、あの日の満潮時に、母は警報を無視して、水に沈みいく道路を走ったのか・・・。
真相を探る兄妹に、過去を知る島民たちの口は重い。血のつながる父や祖母までも協力的でないどころか、明らかに拒否しているのがわかる。わずかな物証と証言から細い記憶の糸をたぐり寄せる過程は謎解きの要素が強い。と同時に、家族だからこそ問題が密室化・深刻化しやすいことも想像できるので、非常に緊張感が漂う。

??真実こそが全てなのか。
ネタバレせずに打ち明けると、主人公の兄妹に思いを馳せつつも、真相を探る作業は誰も幸せにしないと思い至った。少し話がずれてしまうかもしれないが、数多ある復讐劇が主人公を幸せにしないように、過去に囚われる人間は負の連鎖を断ち切れない。それでも、母親の死の真相を知らずには、一歩も進めない兄妹に共感できてしまう自分もいる。家族の業は一生続くものなのだろう。

★『ミモザの島に消えた母』予告編


(TEXT by ともこ2016/7/18)




ミモザの島に消えた母
BOOMERANG

2016年7月23日(土)公開
ファントム・フィルム
http://mimosa-movie.com

2015年/フランス/101

© 2015 LES FILMS DU KIOSQUE FRANCE 2 CINÉMA TF1 DROITS AUDIOVISUELS UGC IMAGES

【ストーリー】
30年前、冬に咲く小さな花から通称「ミモザの島」と呼ばれる島沿岸の海で、一人の若い女性が謎の死を遂げた。40歳になった今でも愛する母を失った喪失感から抜け出せないアントワンは、真相を突き止めようとするが、何故か家族は“母の死”について頑なに口を閉ざす。果たして当時、母の身に何が起こったのか?恋人のアンジェルや妹アガットの協力を得てミモザの島を訪れたアントワンは、自分が知らなかった母のもう一つの顔、そして母の死の背景に渦巻く禁断の真実に辿り着くのだったが──。

監督・脚本:フランソワ・ファヴラ





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