ロシアン・ルーレット

ロシアン・ルーレット
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ロシアン・ルーレット ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray] ロシアン・ルーレット ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]
(2011/11/09)
ジェイソン・ステイサム、サム・ライリー 他

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★★★☆☆

父親が入院し、大金が必要となった青年ヴィンス。彼は、ある男が危険な
仕事で大金を手にしようとしていることを知る。しかし、その男は麻薬の
オーバードーズで死んでしまい、ヴィンスは家主の代わりにその仕事に
参加しようと企んだ。ヴィンスが連れて来られた館には、1から17までの番号の
付いた服を着せられた男たちがいた。その館では、17人の中で誰が最後まで
生き残るか、大金をかけたロシアン・ルーレットが行われていたのだ。

サム・ライリー、ジェイスン・ステイサム、ミッキー・ローク、
レイ・ウィンストンなどが出演するバイオレンス映画。

絶望的な緊張感。

比較的短尺な映画の中に詰め込まれた緊張感とクレイジーな雰囲気を
楽しむ為の映画になっています。

選ばれた裏世界の金持ちが集まるギャンブル場に響き渡るのはMC役の
マイケル・シャノン(『その土曜日、7時58分』、『バニラ・スカイ』など)の声。
彼の怪演によってただでさえ命がけのギャンブルであるロシアンルーレットに
異様な緊張感が加わっていました。

この映画のロシアン・ルーレットは自らのこめかみに銃口を向けるタイプではなく、
参加者が円を描き、目の前にいる相手の後頭部へ銃口を向け、引き金を引くというモノ。
撃つか、撃たれるかが』同時に行われるサバイバル形式なんですね。

当初は銃の扱いや引き金を引くことさえ躊躇していた主人公が、いつしか
この狂気に飲まれて行くところもスリリングでした。

しかし、いかんせん何かが足りない気も。

この緊張感の外にあるドラマが、ジェイスン・ステイサムに利用されるがままの
レイ・ウィンストンの関係性や、参加者の一人であるミッキー・ロークの役どころ
なんですが、イマイチ中途半端な感じが拭えません。

主人公の行動を追うことで、『どこかで金絡みの何かが行われている』という事実
までは掴んでいるデイヴィッド・ザヤス(『スカイライン』、『エクスペンダブルズ』)演じる
警部も、眼光するどくなかなか雰囲気を持ったキャラクターなんですが特に
これが活かされた部分というのは無かった気がしますね。

ただ、この映画はこれでいいのかもしれません。

ルーレットの参加者一人一人が基本的に何者でどこから来たのかは描かれず、
ヒーロー的な活躍をする者もいなければ派手な銃撃戦もない。
ついでに、ギャンブルがテーマでありながら、トリックや心理戦もないという
省エネ設計。そんな淡々とした映像で進むのがこの映画の味なのかも。

ラストシーンも潔さと言うか淡白と言うか、救いようのないあっさり加減でした。

闇で行われている命がけのギャンブル、欲と狂気にまみれた世界の中身を
垣間見せられた主人公と観ているこちら側。
どれだけ感情移入出来るかが大事になってくる作品だなぁと思いました。(作文かい!)



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