チェイシング/追跡

チェイシング/追跡
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チェイシング/追跡 [DVD] チェイシング/追跡 [DVD]
(2011/08/26)
ラッセル・クロウ、ジョン・フォスター 他

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★★★☆☆

ニューヨーク州郊外。両親を殺した少年エリックが2年間の服役を経て出所してきた。
この事件を担当していた刑事クリストフオロは、エリックが未解決の二人の少女殺害
事件にも関与していた連続殺人犯ではないかと疑い、捜査を始める。一方、16才の
少女ローリは、ニュースでエリックの姿を見た瞬間、強い衝動に駆られ家を飛び出した。
そして、エリックに会いたい想いが現実となった時、二人は当てのない逃避行へと旅立つ。
クリストフオロは、エリックの不穏な動きから新たな犯行を予感し尾行を開始するのだが・・・。

ラッセル・クロウ(『ロビン・フッド』、『消されたヘッドライン』など)
ジョン・フォスター(『トゥルー・リベンジ』、『海辺の家』など)
ローラ・ダーン(『インランド・エンパイア』、『アイ・アム・サム』など)
ソフィ・トラウブなど

ちょっと文学的な要素を感じるような作品だったような印象です。
ただ、随分前に観た作品なので記憶を探るのが大変です。

ラッセル・クロウが凶悪な犯人を追い詰めるエンタメ的なクライム
サスペンス作品だと思ってレンタルされた方は多いのではないでしょうか。
実際は全く雰囲気の違う作品です。が、100%がっかりではない作品です。

また、物語自体ラッセルが中心ではなく、名優ベン・フォスターの弟、
ジョン・フォスターが演じるエリックにスポットが当てられてます。
両親を殺害し、二年の服役を終えて出所した少年の役どころなのですが、
非常に闇を感じさせるキャラクターでしたね。

ただ、狂気だけではなく、妙な切なさや危うさを与えてきます。
特にソフィ・トラウブ演じるローリの存在は、この作品の独特の雰囲気の
質量をかなりの割合で受け持っていると言えるでしょう。

何か似た雰囲気のこの二人が、目的意識や感じさせる温度は大きく違えど、
交流を取りながら逃避行的な旅を続けていくところを追いかけていきます。

一方のラッセル演じる刑事ら「大人」とは非常に大きな温度差があります。
ラッセル自体、影のあるキャラクターなのですが、案外この作品ではあまり
意味を持たない役柄だったんじゃないかなと思います。

その他、全体の雰囲気をうまくまとめ切れなかった感じがありますね。
欲求や精神のコントロールが危うい少年、そして理解と開放を求める少女、
やや重いストレスを抱える刑事、これらのバランスがいまいちとなり、
必要な緊張感が足らなくなってしまったのかもしれません。

主要人物の行動の動機づけがもう少し濃かったなら、全体的にバシッと
締まってきたんじゃないかなというところ。
そんなハンディな映像の中でもソフィ・トラウブはかなり光っていたので
暇で抑揚の薄い映画が嫌でなければ観てみてもいいかもしれませんぜ。



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