主人公は僕だった

主人公は僕だった
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主人公は僕だった [Blu-ray] 主人公は僕だった [Blu-ray]
(2010/05/26)
クイーン・ラティファ、ダスティン・ホフマン 他

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★★★☆☆

平凡で面白みのない男、ハロルド。国税庁の会計検査官である彼は、
過去12年間、毎日決まりきった生活を送っている。しかしある朝、
ハロルドの頭の中に、彼の行動を文学的な表現で語る女性の声が割り
込んできた。それからというもの、その声はハロルドの頭にたびたび
響くようになる。彼女によれば彼はどうも小説の主人公のようで、
しかも彼に死が近づいていることもほのめかしていた。それから自分の
運命を変えようとするハロルドの奮闘が始まった。

ウィル・フェレル(『アザー・ガイズ』、『マーシャル博士の恐竜ランド』など)
マギー・ギレンホール(『クレイジー・ハート』、『ダークナイト』など)
ダスティン・ホフマン(『ニューオーリンズ・トライアル』、『スフィア』など)
クイーン・ラティファ(『バレンタインデー』、『ベガスの恋に勝つルール』など)
エマ・トンプソン(『ハリポタシリーズ』、『いつか晴れた日に』など)

映画の冒頭、映し出されるのは平凡で几帳面な会計検査官ハロルドの生活。
起床時間、朝の支度、通勤と几帳面な彼の生活が伺える。
そして、映画を観ているものへ語りかける物語のナレーション。

しかしある朝、このナレーションが映画の主人公ハロルドへ聞こえてしまう。
自分の行動が細やかにストーリー口調で耳に入る現象に困惑するハロルド。
ついにはハロルドの悲劇的な最期をほのめかすフレーズが聞こえてくる。

そして気づいていく事実は”彼はある小説の主人公”だということ。
ではこの世界は?作者は?平凡な彼の平凡でない奮闘が始まる…。

あー、なんかジム・キャリー主演でやっても面白いだろうなぁ。

ははは残念。それは『トゥルーマン・ショー』だ。

創られた物語の中で暮らしている。という点ではかなり近いですね。
人生がドラマとして放映され、周囲の人物も全てが俳優やエキストラだった
トゥルーマン・ショーと比べ、本作はとある小説家が産み出した世界観が描かれます。

混乱してはいけない点としては、主人公ハロルドと小説家は同じ世界で
暮らしており、なぜだか互いがシンクロしているというところ。

ハロルドが出会う助言者の大学教授ヒルバート、パン屋のアナ、ハロルドの
職場の同僚達は紛れも無くノンフィクションであるし本物の世界。

ただ、ハロルドだけが小説からの拘束を受け、悲劇描写に定評のあるカレンの
“現在進行中”の執筆によって間違いなく死に向かって行くことになるんですね。

この時のウィル・フェレルの表情や行動に笑ってしまうポイントはところどころ
ありますが、全体を観ればコメディより人間ドラマに近い感じです。

悲劇的な運命から逃れようとするハロルドと、彼との出会いで新たな価値観を
生んでいくキャラクター達。そして、ついに出会う小説の作者と登場人物…。
展開はなかなかに面白い作品です。

カレンが描く小説世界と現実とが生み出す矛盾などに突っ込みたいポイントは
数多くありますが、映像化された部分だけを素直に楽しめばとても見やすい映画ですね。



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