50/50 フィフティ・フィフティ

50/50 フィフティ・フィフティ
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50/50 フィフティ・フィフティ [Blu-ray] 50/50 フィフティ・フィフティ [Blu-ray]
(2012/07/03)
ジョセフ・ゴードン=レヴィット、セス・ローゲン 他

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★★★★☆

シアトルの公営ラジオ局で番組制作の仕事をしているアダムは、現在27歳。
彼自身は几帳面な性格だが、ガールフレンドで画家のレイチェルは整理ができないし、
同僚で友人のカイルは女好きのお気楽人間と、周りは彼とは正反対。しかしそんな
生活がアダムには心地よかった。そんなアダムに思いもよらぬことが。検査によればガン。
ネットで調べると、5年後に生きている確率は「50/50(フィフティ・フィフティ)」!
その日からアダムの生活は一変する。

ジョセフ・ゴードン=レヴィット(『インセプション』、『G.I.ジョー』など)
セス・ローゲン(『グリーン・ホーネット』、『素敵な人生の終り方』など)
アナ・ケンドリック(『トワイライトシリーズ』など)
ブライス・ダラス・ハワード(『ヒア アフター』、『ターミネーター4』など)

生(性)か死か。

ライトに闘病を描いた本作ですが、人物描写なんかは手を抜かず、
脇役さんも少ないシーンで人物を表現できていると感じました。

主役を演じたジョセフについてはもう主人公の儚さやココロの弱さが
にじみ出ていて見ていて辛いシーンがたくさんありましたね。
突然の病気や環境の変化に戸惑うあたりはポップな表現の中にもリアルな
部分が多くて切なくなりました。

準主役級のセス・ローゲンは『素敵な人生の終り方』についで闘病中の
パートナーに深く関わるキャラクターを演じています。
「素敵な人生の終り方」では病気の宣告により半ばやけっぱちになった
主人公に翻弄される役でしたが、今作では逆に女好きでノーテンキな彼が
主人公を翻弄させる姿が見られます。
しかし、そんな明るい彼の動機が見えた時は…。

ワタシとしてはアナ・ケンドリックの活躍が見られたのが嬉しかったです。
新人の臨床心理士である彼女がどんどん冷え切っていく主人公の心を溶かす
存在になっていくところが本当ナイスでした。可愛らしさもグッドです。

そして、今回悪役となってしまった彼女の存在。
ブライスの演技力を褒めたいところではありますが、キャラ描写が中途半端
だったのか、悪役としての描き方がされてしまっていますね。
突如ガン宣告を受けた主人公を恋人として支えながらも次第に精神が磨り減り、
彼を裏切る行為に走ってしまった彼女。

その動機としても、寂しかったから。大変だから。程度の表現に抑えてしまった
ために「遠距離恋愛中に浮気した女性」みたいな感じになっちゃいましたね。

診察終わりの主人公を迎えにこないシーンがあったりしたので案外意識的に
悪役にされちゃったのかもしれませんけど。

その他、主人公の母親役を演じたアンジェリカ・ヒューストンや入院仲間を
演じたフィリップ・ベイカー・ホールらベテラン勢は映画に深みを与えています。

母の愛を感じるシーンではなんだかジーンと来ました。
入院仲間の突然の他界は誰もが読めた展開ですが…そこまでの引きが良かっただけに
やっぱりショッキングなシーンになってしまいましたね。

話の流れがしっかりしたいい作品ですが笑いの要素も散りばめられているので
思わずクスっとくるシーンもあります。

全体的にライトなので闘病や社会背景などを多く扱う作品ではないので誰でも
見やすい映画だと思いますよ。



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