REC/レック3 ジェネシス

REC/レック3 ジェネシス
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REC/レック3 ジェネシス スペシャル・エディション [Blu-ray] REC/レック3 ジェネシス スペシャル・エディション [Blu-ray]
(2012/11/02)
レティシア・ドレラ、ディエゴ・マルティン 他

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★★★★☆

結婚式の日を迎えたコルドとクララは、バルセロナの式場で人生最高の日を迎えていた。
しかし、犬に噛まれたというペペ叔父さんの様子が披露宴の最中におかしくなり、妻の
首を噛み切ってしまう!そして同じ症状の感染者たちが会場になだれ込み、会場は阿鼻叫喚の
巷と化した。襲い来る感染者の中を逃げるうち、コルドはクララとはぐれてしまう。
一度は教会に逃げ込んだものの、クララを救うため、コルドは感染者のいる式場に舞い戻る。

久々に激面白い。

ここに来てマンネリが目立つかとおもいきやなかなかの出来ですね。
前作までのゾンビ(感染者)&オカルトの路線を一気に広げるような大胆な設定と
ストーリー展開で楽しませて頂きました。

まず序盤、シリーズおなじみのPOV視点でヒロインクララと主人公コルドの結婚式
のVTRが映し出される。新郎新婦、参列者一同が幸せの日をおもいっきり楽しんでいる
映像が映し出されている。
久々の再開を祝うもの、酒を楽しむもの、女あさりに忙しいもの、などなどいろんな
人々の表情が伺える。

それがおよそ20分以上。

ふふふ、煽るねぇ。おたく全くシブいぜ~。
やや長めの導入ではありますが、それぞれの人物描写を観ておくことで
後からの物語の楽しみ方が一気に変わってしまうので気をつけよう。
何気ないシーンに伏線が含まれていることもありますからね。

物語が動くのは夜。

参列者の一人で、犬に噛まれたとかで調子が悪そうだったペペ叔父さんの
様子が夜になると余計に悪化。目はうつろで顔色は土気色、ろれつも回らない
有様だが、ついに結婚式場の2階手すりからダンスフロアへ転落してしまう。

慌てて駆け寄る奥さんやその他参列者の心配をよそに起き上がるペペ叔父さん
だが、突如として奥さんの首元に食らいつく。阿鼻叫喚の参列者達。
同時にペペ叔父さんと同じく暴徒化したスタッフ&参列者が会場に飛び込んでくる。

まさに地獄絵図となった会場で、新郎コルドと新婦クララは離れ離れに…
幸せの絶頂だったはずのこの日、彼らの運命は一体どうなってしまうのか。

ここでPOV終了。お疲れ様でした。
正直、この辺でこの映画がRECシリーズだというのは忘れたほうがいいかも。
変なこだわりや「この映画はこうでなければいけないはず!ブヒィー!」と
いう邪魔な思いが入ると素直に楽しめなくなってしまいます。

POVは臨場感やモキュメンタリー調の雰囲気を出すには良い手法なんですが、
映像的には非常に酔いやすく尚且つうざったく感じる人も多いですよね。
今回は結婚式場と教会というロケーションも面白いので広い視点の映像が見れる
第三者目線での撮影に戻ったのは特に気になりませんでした。むしろ見やすいし。

今作ではグロ表現もかなり力が入っているのか、様々な映像が用意されている
のでとても楽しいですね。思わず「イタタタッ!!」と声に出たシーンも多かったです。

主人公が教会に保管されている鎧や武器を装備し始めたとこには笑いましたが、
それ以上に宗教的な設定を展開し始めたのは意外でしたね。
前作までもオカルト要素が強かったですが、今作では完全に感染者たちを
堕天使、魔物とした映像表現が行われています。

クライマックスではまさに「クララが立った」と言わんばかりの盛り上げっぷり。
悲劇的な要素が多い中にも、映像的なギミックや盛り上げどころ、そして
ユーモアのある映像が映し出されたのは非常に高評価です。
また、二人の愛の強さが溢れんばかりに表現されていたのも大切な要素ですね。

最終局面まで来てから一番笑ってしまったのはコルドの渾身の一声
『この耳の遠い老いぼれがァァァァアアアア!!!!』のところです。
笑ってはいけないんですが笑ってしまいました。

3作目ともなればパワーダウンしてるんじゃ…とご心配の方のためにも
あえて詳しい内容は書きませんが、近年のゾンビ映画ファンであれば十分に
楽しめる内容だと思います。

新婦クララさんを始めとして演者さんもレベルが高いですし、映像もよし、
ついでに盛り上げるポイントが数多く用意されているので退屈はしません。

クララが「アレ」してたのはとても悲劇的な要素ですが…もしや続編に
生かされる設定だったのでしょうか。



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