タイタンの逆襲 Blu-ray & DVDセット(初回限定生産) (2012/08/16) サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン 他 |
★★★☆☆
10年前にアルゴスのアンドロメダ姫を救った半神半人のペルセウスは、息子のヘレイオスと
漁師として暮らしていた。そんな彼の元に父である全能神ゼウスが協力を求めて訪ねてくるが、
ペルセウスは申し出を拒否する。やがて、ゼウスはタイタン族の王クロノスを復活させようと
企む冥王ハデスに囚われてしまった。神々の力が弱まり、ペルセウスの暮らす村にも魔物キメラ
が襲いくる。ペルセウスアンドロメダと共にゼウスを救う旅に出る……。
サム・ワーシントン(『キリング・フィールズ 失踪地帯』、『タイタンの戦い』など)
リーアム・ニーソン(『バトルシップ』、『アンノウン』など)
レイフ・ファインズ(『タイタンの戦い』、『ハート・ロッカー』など)
ダニー・ヒューストン(『ロビン・フッド』、『タイタンの戦い』など)
エドガー・ラミレス(『チェ28歳の革命/39歳別れの手紙』、『バンテージ・ポイント』など)
ビル・ナイ(『トータル・リコール』、『あるスキャンダルの覚え書き』など)
トビー・ケベル(『魔法使いの弟子』、『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』など)
ロザムンド・パイク(『サロゲート』、『DOOM』など)
ギリシャ神話=エンターテイメント
うーむ、実に潔い映画ですね。とても気持ちがいいです。
なぜかって言うとストーリーが空っぽ、完全にビジュアルで勝負という素直な
声が聞こえてくるような作品だから。
いや、全く皮肉でもなんでもなく、私はそういう映画はとても好きなんです。
ハデスの陰謀、アレスの裏切りで始まる物語ですが、基本的には見た目の勝負。
神の一人でありながら虚しく散りゆくポセイドン、突如飛来するキメラ、主人公
専用機として従順に働く黒いペガサスなど、序盤から盛り上がりのポイントはたくさん。
冒険開始時にはポセイドンから託された槍を唯一使う事ができるアゲノールを
探しに行く事を託されるなど、RPG的な設定もなかなかに胸が熱くなるよね。
冥界の王ハデス、戦の神アレスを敵に回しながらの緊張感ある旅路は良い感じ。
その折、サイクロプスやミノタウロス、マカイなどの迫力もビジュアルも
充実したモンスターが登場してくるのでダレることが少ない展開です。
しかしどのギリシャ神話映画(ハリウッド)にも言えることなんですが、
「神々」って奴は本当に人間臭い。
人間界には干渉できないとか言いつつめっちゃ心配。パパ、息子が心配。
祈られないとむかつくけど祈られるとなんだかいい気分。実に単純である。
今作では、ハデスとゼウスがこれまた人間臭い兄弟シーンを見せてくれます。
特にハデスは完全なるツンデレでした。
ハデス的には~、ちょっとゼウスを懲らしめてやるつもりだったのに~。
なんかアレスがちょーしに乗っちゃってひどいことしだしたから~。
そしたらやっぱ~、ゼウスがかわいそうだし~、っていうか大事な兄弟だし~。
みたいな感じです。
ハデス(レイフ・ファインズ)、ゼウス(リーアム・ニーソン)というナイス
ミドルなキャスティングなのでこの二人が共闘しだした辺りの映像は実に熱い。
さすがヴォルデモートといったところですね。
で、一番の見せ所はやはり「クロノス」。
映画冒頭でちらりと見せるその超超超超超巨大な姿はクライマックス時にたっぷり
楽しむことができます。いやぁマジででかい。でかすぎるだろ。
ダイダラボッチとかシシ神さんなんかとは比べ物にならんよ。
さて、全編通じて迫力の映像とモンスターを楽しむ映画でございました。
尺もそんなに長くなく、キャラクターやストーリーの掘り下げなどもほぼ
無視したビジュアルエンターテイメントです。
個人的にはロード・オブ・ザ・リング的な冒険映像も欲しかったのですが
やはり尺が合わないのでしょうね。これはこれで正解といえるでしょう。
観て後悔することはないとおもいます。
タイタンの逆襲
WRATH OF THE TITANS/12年/米/99分/アクション・アドベンチャー/劇場公開(2012/04/21)
−監督−
ジョナサン・リーベスマン
『世界侵略:ロサンゼルス決戦』
−出演−
*サム・ワー