ムカデ人間2

ムカデ人間2
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ムカデ人間2 [Blu-ray] ムカデ人間2 [Blu-ray]
(2013/02/02)
アシュリン・イェニー、ローレンス・R・ハーヴェイ 他

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★★★★☆

地下駐車場の警備員として働く、背が低く、醜く太った中年男マーティン。
勤務中にパソコンで『ムカデ人間』のDVDを観ては、いかがわしい妄想に耽っていた。
映画に異常な興奮を覚え、何度も繰り返し観るだけでなく、場面写真やニュースの
切り抜きをファイルにしたスクラップ・ブックまで作って持ち歩き、暇さえあれば
写真をながめ、不気味にほくそ笑んでいた。やがてマーティンは、自分の中に邪悪に
わき上がる、ある欲望を我慢することができなくなっていく。それは映画と同じように、
自分も人間をつなげて“ムカデ人間”を作りたいという強い想いだった。
劇中のハイター博士の遺志を継ぐかのように、邪悪な欲望を実行に移していくマーティン。
その異常な欲望は、狂気の12人数珠つなぎを創り上げていく……。

ひでぇことしやがる。

っていうか本当にひどい。外道、下劣、下品、最低。そんな言葉の表現では
足りないぐらいの最低映画でした。

と、言わせるぐらいのインパクトがある映画です。

前作では若本ボイスに釣られてとんでもない映画を見ちゃったなぁという
感じだったんですが今作はそれに輪をかけた変態っぷりです。
制作陣にはブレーキと言うものがなかったんでしょうか?

ここでこんな表現やったらやり過ぎかなぁ…ひいちゃうかなぁ…。
と葛藤した後が見られない振り切ったゴア表現が次々画面に映し出されます。
とはいえ、それが安っぽくなればただの変態B級映画なのでしょうが今作では
チラ見せだったりモロ見せだったりの緩急があるので本当に生理的にクル感じ。

俳優陣もすごいですよね。まず主役がすごすぎる。
ギョロ目のチビデブでついでにハゲでマジキチという地球でも下から数えた
ほうがおそらく早いであろう下劣人間。
幼少期のトラウマがある可哀想な奴だとしても即刻この世から処分したほうが
いいような主人公なのです。

今回のムカデ人間は当社比4倍の12人構成ということで被害者さんの数もすごいです。
次々連れて来られるので個人個人に特に思い入れは出ず、それぞれのストーリーなども
得にはないので感情移入しにくいのが逆に良いです。

ただし、前作の被害者役のアシュリン・イェニーが本人役で登場し、
「映画の中の被害者が実際にムカデ人間にされてしまう」というマジキチな設定の
役を奮闘しております。

酷いシーンを上げれば本当にキリが無いのですが、中盤以降脳みその「タガ」が
完全に外れた主人公が織り成す地獄絵図は悪い意味で見どころたっぷりです。
この主人公からはある種のコンプレックスや欲望は見受けられますがほぼセリフが
無く表情も超無機質。過去見た映画の中でも有数の変態殺人鬼となりました。

クライマックス以降、正直なんでこんなシーン入れたんだよというような最低最悪な
箇所があり、本気で精神ダメージを負ったシーンも有るのですが、きっとそういう作戦
なんでしょうね。それでも許せないという人もいるでしょうが…。

全編通して「ほぼ」モノクロ作品なのですがそこに大きな不気味さを感じます。
もしかしたら主人公の歪みきった精神世界をこうした手法で表現しているのかもしれません。
っていうかもしカラーだったらと思うとマジで恐ろしいです。

このモノクロ手法にもあるこだわりを感じるシーンもあるのですが…
わしはそんなこだわりをみとぉなかった…。

そしてラストについて。(ちょっとネタバレになるかもしれません。)

あれはどう捉えればいいのでしょうか。
すべてがマーティンの妄想世界だったとも取れますし阿鼻叫喚地獄となった物語を
一気に「静」に戻すことでマーティンの虚しさ、心の虚無感を表現したシーンとも
受け取れます。

もし何か感じた人がいたら教えてくださいm(__)m

とにかく、ゴア表現に免疫の薄い人は絶対に見ては行けませんし免疫のある人でも
ある程度気合を入れてから挑みましょう。
言うまでもありませんが妊婦さんや子供には100%おすすめ出来ません。



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