ボーン・レガシー

ボーン・レガシー
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ボーン・レガシー ブルーレイ+DVDセット(デジタル・コピー付) [Blu-ray] ボーン・レガシー ブルーレイ+DVDセット(デジタル・コピー付) [Blu-ray]
(2013/02/20)
ジェレミー・レナー、レイチェル・ワイズ 他

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★★★☆☆

CIAの極秘プログラム「トレッドストーン計画」が、ジェイソン・ボーンによって
明るみになろうとしているころ、人体改造の「アウトカム計画」により、強靭な肉体を
持つアーロンが訓練を積んでいた。このボーンによる事件の余波でその「アウトカム計画」
も明るみになる事を恐れた上層部は、関係者の抹殺を指示。かろうじて生き延びたアーロンは、
研究者のマルタを訪ねるが、彼女もまた命を狙われていた。

ジェレミー・レナー(『ミッション:インポッシブル/G・P』、『マイティ・ソー』など)
レイチェル・ワイズ(『ナイロビの蜂』、『隣のリッチマン』など)
エドワード・ノートン(『ストーン』、『プライド&グローリー』など)
ジョアン・アレン(『HACHI 約束の犬』、『デス・レース』など)
などなど豪華面々が出演。

騒がしい外伝。

ジェレミーが大好きなので観ないわけにはいかない。
しかもヒロインはこれまた大好きなレイチェル・ワイズ、キーマンには
エドワード・ノートンというアドレナリンが出そうなキャスティングに期待MAX。

しかし。

蓋を開けてみればただただ騒がしい展開とわかりにくい裏のお話。
その上時間軸をジェイソン・ボーン側の物語と重ねてくるものだから
さらにわかりにくい。言葉やシーンの裏事情を画面に出さないものだから
常に何かを考えながら観ないといけない展開でした。

ただし、冒頭の対無人戦闘機戦などは迫力があり画的にも面白いです。
ヒロインの屋敷で急激に始まった銃撃戦も素晴らしいですし街中での
追いかけっこも楽しめる。そのために話が分かりにくいのが本当に残念でした。

レッドストーン計画と同軸で進んでいたアウトカム計画との話のつながりや、
CIAなどの特務機関内での動きがもう少し分かりやすければ素直に映画を
楽しむことができたのかもしれません。

大切な主人公の動機についても同様で、平凡な兵士だった彼が如何にして
「アーロン・クロス」へと変貌したのか、そしてその彼の見定める目的や
行動理念がどこにあるのかをもっと掘り下げて欲しかったですね。

それでも前半は画面に映し出されるサスペンス的な演出や陰謀っぽさが
かっこ良く、後半への大きな期待を持って見ることができました。
しかし後半に入り、これまでのシリーズとやや離れたところにある別の
派手さやアクション性が目立ったことで、これまでのシリーズと同じ楽しみ方
ができない作品であることに気づきます

特に、ちょっとオーラの少ない暗殺者が超大物っぽく登場し、主人公との
追いかけっこを始めた頃にはかなり映画の雰囲気が変わってしまいました。
「な、なんだって?奴を使うのか?」みたいな煽りで登場した割には頭脳の
戦いがなくて拍子抜けでしたね。

ちなみにそんな暗殺者(コードネームLARX-03)は「プレデターズ」にて、
大きな話題となったヤクザ役を演じていた俳優さんでもあります。
今後の働きに期待したいところ。

最も最も残念なのはエドワード・ノートンが完全に裏方だったことですね。
てっきり彼とジェレミーが物語の中で凄まじいまでの頭脳戦や肉弾戦を
行うのかと思っていたので最後まで相まみえることなく終わってしまったのが
心から悔やまれます。

結果として物語が難解な反面映像としては派手さのあるカオスなアクション映画と
なってしまった本作ですが、これを序章と切り捨てて後の展開に期待するのは
ありなのかもしれません。
その際にはもうちょっと物語設定やキャラ設定を明らかにするべきですね。

ボーン・シリーズとして楽しもうとしている人には少々厳しさがあるかもしれません。

そうはいってもジェレミー・レナーファンなら文句なく楽しめるはずですがね。



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