ブリッツ
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ブリッツ [Blu-ray] ブリッツ [Blu-ray]
(2012/03/02)
ジェイソン・ステイサム、パディ・コンシダイン 他

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★★★☆☆

ロンドン市警に所属する刑事ブラントは、強情で妥協知らずの男。
その情熱と正義感の強さから、犯罪者に対してやりすぎてしまうこともしばしば。
ある日、ロンドン市内で警官ばかりを狙った連続殺人事件が発生する。ブラントの
横暴さを暴露しようと彼を追いかける新聞記者ダンロップは、ワイスという男から
情報を得るが、その男こそが殺人鬼、通称ブリッツであることを知る。
ワイスは警官を殺害し、そのことで有名になろうとする愉快犯だったのだ。

言わずと知れたジェイソン・ステイサム先生の他、パディ・コンシダイン
(『ボーン・アルティメイタム』、『シンデレラマン』など)が登場。
今回は刑事に扮するバイオレンス・サスペンスといったところ。

ものすごい遠浅な海の掛けてこの映画と解く~。

警官連続殺人の犯人との対決を行う本作。
やはりシリアルキラーものの醍醐味というのは犯人との駆け引きじゃないですか。
知能戦、心理トラップ、時に飛び出すアクションなどそれは様々です。
私が一番好きな部類の作品でもあるのです。

今作ではその上ステイサムの兄貴が登場するとあって期待大ですよ。
冒頭からなかなかバイオレンスな役柄ですしいつもの鋭い眼光が光ってました。
時に行き過ぎた行為で取り正されても動じません。”刑事は俺の天職なのだ”と
強固な姿勢を見せてくれます。いいぞ兄貴!

そんな彼の相棒となるのがパディ・コンシダイン演ずるナッシュ刑事。
他の分署から連れてこられたエリート風の彼は、若干線の細い風貌からか
周りから”ゲイ”と呼ばれることもしばしば。実のところマジのゲイなんですが。

二人が追うのが連続殺人鬼バリー・ワイス通称”ブリッツ”。
一見ただのチンピラだが執拗に警察を挑発する大胆さを持っている男。
一体彼の目的は、そして捜査の果ての結末とは…。

~~ 以下、ランボー怒りのネタバレ注意 ~~

どこまで行っても浅い映画でした。

まず兄貴。バイオレンスな一匹狼かとおもいきやそうでもない。
割りと単純で仲間思い。相棒ナッシュとも秒殺で和解してしまうとこは
『ナッシュに自分と似たものを感じたのかな』と思ったのですが…多分単純なだけ。
そのくせ情報屋とのやり取りや飲み屋では何かにつけて金を払わない男。浅い。
っていうか時折意識がブラックアウトするという謎設定は最後まで空気でした。

そして相棒ナッシュ。神経質っぽい外見から語られる意外に熱い過去。
そして何より”ゲイ”であることをすんなりカミングアウトしてきます。
普通そういうキャラってすごく使い勝手が有りそうなので期待したんですが
その後特に熱い展開はなし。外見は新喜劇座長の小籔さんみたいで味があったのに…。
ゲイに若干怯える兄貴とのくだりは多少笑えたものの浅さが目立ちますね。

犯人ブリッツを取り上げても例外なく浅い。
まずブリッツなんて誰も呼んでないし外見の通りただのチンピラです。
兄貴には”ブリッツって( ´,_ゝ`)プッ バガジャネ?”的な扱いをされます。
実はこいつは囮で裏には影の大ボスが…なんて展開は皆無。
そんな奴の通称が題名の映画に深みが出るわけがないのです。

その他取り上げられるのが女性刑事フォールズ。
昔からの兄弟分の暴行事件をもみ消すため、イケメン担当刑事と接触
する彼女ですが…ちょっと何をしているのかわからないです…。浅いです。
また、新聞記者や情報屋、は取り上げられる価値もよくわからないキャラばかり。
途中殺害されるベテラン刑事ロバーツについても同様でただただ可哀想でした。

クライマックス以降も非常に安易です。
伏線の回収や心理戦などは皆無な残念サスペンス。
兄貴が主演じゃなかったらとてもおすすめできない作品ですね。



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