ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して

ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して
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ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して [Blu-ray] ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して [Blu-ray]
(2013/03/02)
ジャック・ブラック、オーウェン・ウィルソン 他

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★★★☆☆

1年にどれだけ多くの種類の野鳥を目撃するかを競う、アメリカ探鳥協会主催のコンテスト
「ザ・ビッグ・イヤー」。同大会を前に、最高記録樹立を決意するステュ(スティーヴ・マーティン)、
ブラッド(ジャック・ブラック)、ケニー(オーウェン・ウィルソン)。しかし、ステュはかねて
から抱いていたある夢を実現できてないことに縛られており、ブラッドはビッグ・イヤーにのめり込む
あまり恋人もできず、いまだ両親と同居。そして、ケニーは最高記録保持に執着して家庭を顧みる
ことがなかったために離婚を繰り返すなど、問題を背負っていた。

ジャック・ブラック(『ガリバー旅行記』、『紀元1年が、こんなんだったら!?』など)
オーウェン・ウィルソン(『ホール・パス』、『ナイト ミュージアム2』など)
スティーヴ・マーティン(『恋するベーカリー』、『ピンクパンサー』など)

メンバーの濃さの割には意外とあっさりしたコメディ・ドラマですね。

まずこの物語の舞台となる「ビッグ・イヤー」についてですが、
言うまでもなくUEFAチャンピオンズリーグとは全くの別物。
一年間という期間、北米大陸での野鳥の発見数を競う野鳥マニアによる
大規模な探鳥競技大会なんですね。

これがまた面白いことにこの競技は自己申告制、野鳥発見の証拠となる
写真の提出義務もない緩めのルールなのです。

そういうことなのでたとえ見てもいない野鳥を見たことにして記録しても
誰もチェックのしようがないルール、そんな中でも紳士さやプライドを掛けて
各地を必死で飛び回る主人公たちの姿に、いつもの間にか引き込まれていく
ハートフルなコメディ映画に仕上がっていました。

やはりコメディ映画ですので参加者同士の心のせめぎ合いや、時折
発生する相手を出し抜こうとする行為。100%妨害ではないにせよ
ライバルの心理を揺さぶる心理戦は見ていて面白いものがあります。

ですので、全体的に見れば割りと地味な映像ですし、すったもんだの
ドタバタコメディには発展しません。

いつものジャックやオーウェンによる下ネタ合戦や派手なアクションを
期待した場合はちょっぴり肩透かしを食らってしまうかもしれませんね。

ですが、ジャック、オーウェン、スティーヴの主要三役の演技の幅は
ドタバタコメディだけの枠にハマるものではなく、脚本に合わせて
多彩な表情を見せてくれる「腕」を持っていますので、たとえ全体的な
地味さはあったとしてもそこは加味して楽しんでいただきたいもの。

実際、この映画の見所としてはマニアによるマニアのための「ビッグ・イヤー」
という大会の世界観や、北米大陸を股にかけて野鳥探索に命を駆ける姿は
非常に面白いものがあります。
西でレア野鳥の発見報告があればいの一番で飛び出す姿、自然現象による
大量野鳥発見チャンスに全力で取り組む姿にはなんだか熱くなります。

広い北米大陸での移動回数が野鳥発見数に比例するこの大会、移動費だけで
かなりの散財になります。一年間それを全力で繰り返すともなれば家族や
仕事とのバランスが無茶苦茶になることも必死。

そういった中で発生する人間ドラマの見せ方というのもなかなかでした。
野心・プライドを優先するのか、それとも大切な家族との交流を優先するのか、
そういった分かれ目で発生する心の交流は見応えがあります。

まぁ野鳥に限らずですが特に男性にとって趣味・仕事と家族のバランスって
結構難しいものがありますよね。
はたから見ればあまり意味のないことでも当事者にとってはなによりも
大切なことだったりするものですから…。
なので何か熱中する趣味を持っている人が見たら余計に主人公たちへの
感情移入が進む映画かもしれませんよ。

全体的にコンパクトで地味目ですが笑いあり、愛情あり、プライド合戦ありの
良作かと思います。

美しい自然も見どころ!



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