ジャックとジル

ジャックとジル
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ジャックとジル [Blu-ray] ジャックとジル [Blu-ray]
(2012/06/13)
アダム・サンドラー、ケイティ・ホームズ 他

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★★★☆☆

妻子に恵まれ広告代理店のビジネスマンとしても成功したジャックにとって、
悩みの種は双子の妹でいつもお騒がせなトラブルメーカーのジルの存在だけ。
そんなある日、ジルに付き合ってバスケの試合観戦にでかけたところ、会場に
居合わせた名優アル・パチーノがジルに一目ぼれしてしまう。さらにジャックは、
そんなパチーノにCM出演の依頼をしなければならなくなり……。

アダム・サンドラー(『ウソツキは結婚のはじまり』、『素敵な人生の終り方』など)
ケイティ・ホームズ(『ダーク・フェアリー』、『サンキュー・スモーキング』など)
アル・パチーノ(『ボーダー』、『88ミニッツ』など)

コント映画と割り切ること。

さて、ゴールデンラズベリー賞の史上最多部門受賞という不運な作品。
アダム・サンドラーは個性的な双子の兄妹、ジャックとジルを一人で演じきり、
アル・パチーノは本人役でありながらジルの方に一目惚れして猛烈なアタックを行う
というなかなかにクレイジーな作品。

まず断っておくと、映画としての流れというかまとめ方は少々よろしくない。
と、いうのもいろんな素材が分散的に表現されるのでいまいち一つ一つに
のめり込めないところがあります。
「バレンタインデー」のように主人公クラスの人間が多く、スポットが当たる
シーンが沢山ありながらもラストはしっかりまとめて来る映画を見ていれば、
この作品の技量というのが伺えるような気がします。

と、知ったかぶりの与太話を述べるとそんな感じなのですが、私個人としては
かなり楽しい作品でございました。

まずはアダム・サンドラー、最近どうしても時間がないのですが、彼に非常に
はまりつつあります。時間さえあれば手当たり次第に作品を見たいところ。
今作のジャック役としてはかなり個性的な妹ジルとクレイジーなアル・パチーノに
挟まれる忙しいお兄さん役を面白おかしく見せてくれましたし、同時に演じた
ジルについてもインパクトのある外見、そして純粋かつ不器用な女性を強烈な
キャラクターで楽しませてくれました。(これに近い人はいる気がします)

そして何より楽しむべきポイントはアル・パチーノでしょう。

役を選び(近年はちょっと(?))コメディ率の低いアル・パチーノ。
しかし今作ではそんなイメージを捨て去り、クレイジーで大胆なベテラン俳優
アル・パチーノを見せてくれます。

ちょっと鬱屈した感じの時に自分と似た境遇を持つジルに一目惚れし、妄信的に
彼女へのアタックを開始します。この行動そのものが自分を役者として更に高みに
登らせると信じているんですね。
この時アルが直面していたのは「ドンキホーテ役」を自分のものに出来るかどうか。
ジルを同物語の登場人物ドルネシアと無理やり重ねるところなどはまさにドンキホーテ
そのものの暴れっぷりでした。
彼は役者バカっぽいので半分くらいはこの映画のキャラクターみたいなのかもしれませんね。

とくに好きだったのはアル・パチーノがむちゃくちゃなフランス語やスペイン語で
ジルの気を引こうとしているところとラストのCMチェックシーンですね。

また今作は、脇の脇をくすぐるようなカメオ出演キャラクターが面白い。

かつての名テニスプレーヤージョン・マッケンロー、ロブ・シュナイダー、
ビリーズ・ブートキャンプのビリー隊長など、用途の分からない人が登場します。
また、驚いたのはジョニー・デップ本人の登場ですね。

映画として脚本を眺めると確かにアラは目立つかもしれませんが、コント映画や
アル・パチーノを楽しむ作品として見れば損のない映画だと思います。

アルファンにはぜひ見て欲しい一作。



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