プレステージ

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プレステージ [Blu-ray] プレステージ [Blu-ray]
(2012/07/03)
クリスチャン・ベール、ヒュー・ジャックマン 他

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★★★★☆

19世紀末のロンドン。若き奇術師アンジャーとボーデンは、中堅どころの
奇術師ミルトンの元で修行をしていた。しかしある日、アンジャーの妻で助手の
ジュリアが水中脱出に失敗し死亡。事故の原因はボーデンの結んだロープが外れ
なかったことだった。これを機にアンジャーは復讐鬼へと変貌し、2人は血を流す
争いを繰り返すことになる。その後、結婚し幸せな日々を送るボーデンは、新しい
マジック「瞬間移動」を披露するのだが…。

ヒュー・ジャックマン(『リアルスティール』、『X-MEN:1st・ジェネレーション』など)
クリスチャン・ベイル(『ザ・ファイター』、『パブリック・エネミーズ』など)
マイケル・ケイン(『インセプション』、『ダークナイト』など)
スカーレット・ヨハンソン(『アイアンマン2』、『ザ・スピリット』など)
レベッカ・ホール(『ザ・タウン』、『フロスト×ニクソン』など)

愛と激情とSFと。

非常に苦味のある作品ですね。
映像も美しく、各キャラクターのビジュアルや設定も儚い。
ましてや迎える結末も衝撃的かつ哀愁的。

しかし、穏やかでない憎悪や執念が渦巻き、決して相まみえることのない
主人公”二人”に微妙な切なさも覚えてしまいます。
脇を固めるスカーレット・ヨハンソンやレベッカ・ホールも良いですね。
特にスカーレットの美しさといったらもうね。たまりませんね。

ロケーションや時代設計も割りと細やかに映しださされるこの映画の中には、
当時のマジックの種明かし(本当かどうかはわかりませんが。。。)や、
人物のお話なども出てくるので、そういうのが好きな人にも良いかもしれません。

ですがマジック主体かというとそうではなく、物語自体のトリッキーさを
楽しむような作品になっているのでご注意ください。
ゴタゴタはありつつも割りとおとなしかった前半と比べ、後半はちょっと
ぶっ飛んだ展開になって来ます。
その中にも主要人物たちの心のやり取りは見応えがあるのでいい作品ですね。

後半はネタのひとつひとつが重要なキーワードになってくるので、
あまり書けることがないのが残念です。
ちょっと古い映画ですが、まだ見ていないという人はできるだけ情報を
知らずにこの作品を楽しむことをおすすめします。

2回目以降の観賞になると、クリスチャン・ベールの演技力の高さにも
感心することができそうですね。
ラスト周辺になってようやくベール演じるボーデンのキャラクター全容が
伺えるのですが、なかなかに驚かせてくれました。

雰囲気としては『幻影師アイゼンハイム』ともちょっと近い作品なので
比べられることが少なくないようですが、私としては全く持ち味の違う映画
だと認識しています。
あ、俳優の質を楽しむには両方共いい映画ですよ。

たまたま前回の記事と同じく第79回アカデミー賞にノミネートされた
作品でしたね。今作では撮影賞と美術賞にノミネートされていました。



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