ブラッド・ダイヤモンド

ブラッド・ダイヤモンド
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ブラッド・ダイヤモンド [Blu-ray] ブラッド・ダイヤモンド [Blu-ray]
(2010/04/21)
レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー 他

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★★★★☆

アフリカ・シエラレオネ共和国。反政府軍組織RUFに捕まり闇ダイヤの採掘場で
強制労働を強いられていたソロモンは、作業中に大粒のピンクダイヤを発見。
再び家族と暮らす為に危険を承知でそれを隠すが、直後政府軍に捕らえられてしまう。
一方、刑務所で巨大なピンクダイヤの話を耳にしたダイヤ密売人のアーチャーは、
その在り処を聞き出すために、同じ刑務所に収監されていたソロモンを釈放させよう画策し…。

レオナルド・ディカプリオ(『インセプション』、『シャッターアイランド』など)
ジャイモン・フンスー(『PUSH 光と闇の能力者』、『パーフェクトスナイパー』など)
ジェニファー・コネリー(『9 ~9番目の奇妙な人形~』、『地球が静止する日』など)

ただの光る石ころによって多くの利権や陰謀が絡み、人が死んでいきます。
これはそういう現実をエンターテイメントに描いた映画です。
軽すぎず、重すぎず、行って見れば結構ずるい作品かもしれませんね。

内戦が続くアフリカ西部のシエラレオネ共和国が映画の舞台。
現在は傭兵でもともと自分がいた軍の武器をRUF(反政府軍)に横流しして
いるディカプリオ演じるアーチャー。

近年様々な演目を上手にこなしているジャイモン・フンスー演じるのは、
紛争地域で反政府軍に捕まり、強制労働者とされてしまうソロモン。
そして紛争の裏で暗躍する密輸ダイヤモンドの実情を調べようと、取材活動を
続けているジャーナリスト(ジェニファー・コネリー)。

この三者が主となり、物語が展開していきます。

内容は限りなく、サスペンス・アクション映画となっています。
時に派手な戦闘シーンや緊迫感や疾走感のあるシーンが盛り込まれ、とても
エンターティメント的な映像がまとまった作品なんですね。

これだけの要素だと140分超の大作を観賞するのはややしんどいのですが、
ライトな部分がある反面、テーマとして「紛争ダイヤモンド」の誕生から
血なまぐさい流通や利権が多角度で描かれているのでとても濃厚です。

特に、多くの家族や少年達がその犠牲となっており、自分たちにはなんの
恩恵もない”石ころ”の為に人生を狂わされているシーンは辛いものがあります。

『ニュースで時折映される遠い国の出来事』を映画に乗せて伝えてくるタイプの
社会派作品としての意味がある作品なんですね。

主人公のアーチャーなんかも、現地で活躍しつつもそういった実情からは
一線外れた世界で生きており、どちらかと言うと一匹狼的で利己的な人間。
そんな彼が、泥臭くも家族の為に懸命に生きようとしているソロモンや、
ダイヤモンドの問題を真摯に受け止め世界へ発信しようとしているマディーと
出会い、様々な光景を目の当たりにしたことで自分の人生を見つめなおして
行くところは非常に見応えがあります。

彼の迎えるラストはちょっと安直のような気もしますが、ストレートに
感情移入させようと思えばやはりあれがベストなのでしょうか。

アフリカを舞台としたメッセージ映画はとてもたくさんありますが、
エンターテイメントとしても十分に堪能できる点では非常にハイレベルな
作品です。

今本当にびっくりしたのが今作も前記事、そして全然記事と同じく第79回アカデミー賞に
ノミネートされた作品だっということ。
今作では主演男優・助演男優・音響編集・録音・編集の5部門にノミネートされていました。

次はさすがにないでしょう。



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