キリング・フィールズ 失踪地帯

キリング・フィールズ 失踪地帯
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キリング・フィールズ 失踪地帯 Blu-ray キリング・フィールズ 失踪地帯 Blu-ray
(2012/08/03)
サム・ワーシントン、クロエ・グレース・モレッツ 他

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★★★☆☆ ※クロエちゃん効果でオマケしてます。

マイクはテキサス州の田舎町の殺人課の刑事。少々荒っぽい性格の彼の相棒は、
NYから転属してきたブライアン。少女失踪事件を捜査中の二人だったが、
いまだ有力な手がかりが掴めていない状況だった。そんな彼らをあざ笑うかのように、
次々と少女たちを狙った新たな事件が発生する。さらにブライアンが気にかけ面倒を
見ていた心に傷を持つ少女、アンが事件に巻き込まれる。なんとかアンを救い出そうと
するブライアンだったが…。

サム・ワーシントン(『タイタンの戦い』、『アバター』など)
ジェフリー・ディーン・モーガン(『ウォッチメン』、『P.S. アイラヴユー』など)
クロエ・グレース・モレッツ(『モールス』、『キック・アス』など)

非常に残念なでき。

実績、実力ともに兼ね揃えた俳優陣が登場するサスペンス映画です。
実際豪華といってもいいメンツですし、久々に暗いジメッとした感じの
雰囲気のあるロケーションに期待が掛かりました。

が、中身はスッカスカです。

絶望的にキャラがたっていません。

まず、サム・ワーシントンが演じる主人公の一人、刑事マイクがすでにひどい。
彼はやや気性が荒く、その言動に少し威圧的な面が取られます。しかし、その
動機なるものは一切表示されません。彼が離婚経験者であること、父親も刑事で
あったことなど、何かしらの素材は散りばめられますがどれも彼という人格を
形成するまでには至りません。

もう一人の主人公ブライアンも同様です。少女の失踪事件に対し、相棒マイクと
ぶつかったり別行動するほどに没頭していく彼。一方、クロエちゃん演じる
少女アンの身の上を心配する優しさも兼ね揃えています。
ですが、やはりどういう人間なのかは伝わりません。こうなると主人公二人の
頑張りというのも随分空回りに感じてしまうものがありますね。

クロエちゃんも実力が発揮できていないでしょう。
彼女を取り巻く特殊な家庭環境が不明なので彼女が持つ心の暗部や、他人に対する
情というものが表現されていません。
彼女の表情をクローズアップするカットの数は多いのですが、私みたいな彼女の
大ファンでなければ特に得る者のないシーンが多かったかと思います。

好印象だったのは、テキサスの闇の部分とも言える広大な湿地帯を捜査するシーン。
ワイシャツにネクタイの二人が、ライフルやショットガンを手に練り歩くところは
ビジュアル的にかっこよかったです。
贅沢を言えば、もっともっと湿地帯の絶望的な広大さや不気味さが欲しかったですね。

人種差別をテーマに複雑な感情のやり取りが行われるところもまぁまぁです。

シリアルキラーものの作品でもあるのですが、この物語には裏というものもありません。
観客に対する伏線やトリックのような要素はなく、どちらかというといきあたりばったり。
アンの失踪に対する犯人が分かった時も「何じゃそら」状態になった人が多いと思います。

また、この犯人にさえもキャラを裏付けるものや動機が不明なのが致命的です。
本当雰囲気勝負なだけのスカスカ映画でした。

各演者さんのファンだけにおすすめします。

~~~~以下 ネタバレ~~~~

あと個人的に感じたのは先に起こってた事件とアンの誘拐事件って多分
別物なんでしょうね。
途中で逃走した黒人と白人の二人組もおそらく犯人だったのでしょう。
ガレージのレクサスから出た血痕が被害者のものと一致していましたし、
それを隠滅しようとしたシーンも見られましたね。

サスペンスとして見れば非常にまどろっこしい、中身の無い映画でしたが、
クロエちゃん演じる少女アンの新たな旅立ちを描くヒューマンドラマとして
見れば・・・・・・うーんやっぱ厳しいでしょうね。



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