コリン LOVE OF THE DEAD

コリン LOVE OF THE DEAD
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コリン LOVE OF THE DEAD スペシャル・エディション [DVD] コリン LOVE OF THE DEAD スペシャル・エディション [DVD]
(2011/08/02)
アラステア・カートン、デイジー・エイトケンズ 他

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★★★☆☆

ある日突然、世界中で死者が蘇り生きた人間を襲い始めた。ロンドンの街はパニックに陥り、
社会生活は完全に麻痺してしまった。青年コリンもその信じられない状況に巻き込まれ、
蘇った死者に腕を噛まれてしまう。謎のウィルスは血液によって彼の全身に運ばれ、
やがて底なしの倦怠感に襲われ、しだいに意識が遠のいていった。彼は死に、そして、目覚めた。
朦朧とする意識の中、重たい体を引きずり街に出た彼は猛烈な空腹感に襲われた。 
そして、気がつくと他の死者と一緒に生きた人間の肉を食べていたのだ…。
彼は、ただひたすら『ある場所』へ行かなければならないという衝動に駆られていた…。

たぶん苦手な人には退屈な映画。

ここでいう苦手な人とは。
1.チープな映像とカメラワークが苦手だ。
2.ゾンビ映画とはエンターテイメントだ。
3.ホラーに派手さや笑いは必須である。
4.哀愁?悲劇?ははは眠いわ!

逆に観ても楽しめる人とは。
1.JVDのゾンビ映画でもかかってこい。
2.安い映像にも愛を感じる。
3.一度くらいゾンビになってみたい。
4.実はゾンビだ。

こんな人だ。

この映画は45ポンド、つまり約6000円で製作された超超低予算映画である。
つまり、美しく迫力のある映像を写す機材も無ければスタッフも少ない。
出来上がる映像に迫力や緊迫感は少なく、その『味わい』を楽しむほかないのです。

意外な点は、ノーギャラでの出演にもかかわらず、多数のエキストラや、
きちんとした演技のできる俳優さんが集まっていた点ですね。
彼らのお陰で終始哀愁のある、そして狂気にもあふれた映像になっています。

自分が置かれている状況をギャーギャー喋らないのは良いのですが、もうちょっと
しゃべってくれないとどうなってるのか分からないという点は気になりました。

リアルを意識したシーンの積み重ねはいいですね。
ゾンビを相手にした火事場泥棒、噛まれた人間が持つ悲壮感、激変する環境で
生まれる”狂気”など、人が持つ感情が詰め込まれた映像が流れていきます。
でもシーンの移り変わりに脈絡がなく、眠たくなる人も多そうです。

~~~以下ネタバレ感想警報~~~

大事なところがあっさりだったような気がします。

『俺は人間だ…くそ…食いたくないクイタクナイ…あぁ意識が…ウ・・う。。お』
的なゾンビ変化の葛藤が欲しかった。
気がついたら耳とかむしりとってコリコリコリン。こら!行儀が悪いぞ!!

あと最も大事な恋人との回想シーン。
これは彼のこれまでの行動の全てが明かされる大切なシーンなんです。
にもかかわらず肝心の恋人は…『え?なんだこのビッチ?』
ゾンビを舐め腐って喧嘩を売った挙句噛まれてあびゃびゃーってお前…お前…。
まぁ全体的に『気持ちはわかるけどちょっと頭悪いだろ…』って人物が多いね。

今回は悲劇、哀愁をベースにしたゾンビ作品ですが、同じくゾンビへの感情移入を
行うのならコメディたっちの『ゾンビーノ』なども面白いかも知れませんよ。



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