REC[レック:ザ・クアランティン] 2 ターミナルの惨劇

REC[レック:ザ・クアランティン] 2 ターミナルの惨劇
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REC[レック:ザ・クアランティン] 2 ターミナルの惨劇 [DVD] REC[レック:ザ・クアランティン] 2 ターミナルの惨劇 [DVD]
(2011/10/26)
メルセデス・マソーン、ジョシュ・クック 他

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★★★☆☆

十数名の乗客をのせた小型旅客機が、LAX(ロサンゼルス国際空港)を飛び立った。
機内では、CAのポーラとジェニーが接客業務に追われていたが、突然、乗客の一人の
大男が激しく嘔吐し、次の瞬間、操縦室に向かって突進するという暴挙に出た。
荒れ狂う男をなんとか取り押さえることに成功するが、正体不明のウイルス感染に
危機を感じた機長は、空港へ引き返し緊急着陸を決行。
ところが、ターミナルはすでに防護服に身を包んだCDC(疾病予防管理センター)および
警察部隊に包囲され、ウイルス感染への厳戒態勢がしかれていた・・・。

今度は空港だ!

密室でのパニック環境の中でオカルト要素を多く盛り込んだオリジナル版の
REC/レック2』とは一線を画する作品になっています。
また、POVショット(主観視点)をほとんど利用しないという思い切った
リメイクにより、なんだか別物の映画となっていますね。

それこそ、ほぼ完全にコピーしてしまった前作の続編となっており、
今作の最初の舞台となる航空機内では、前作で封鎖されたLAのアパートが
映しだされ、病原菌発生のニュースとして流れています。
ですので、時間軸的には前作とさほど変わらないんですね。

さて、まず序盤のシーンは航空機内から始まります、主に各キャラの設定と
病原菌の感染拡大を構築しています。
ある理由で当シリーズの凶悪ウィルスを媒介しているネズミに噛まれたデブが
発狂し、飛行中の機内で吐くわ暴れるわ噛み付くわの大騒ぎになるのですが、
この辺は各キャラの感染フラグが多すぎて混乱させてきます。

この事態にやっとこ緊急着陸した空港はお約束の封鎖状態。
空港からは人が消え、警察や特殊部隊によって人の出入りが出来ない状態に
されてしまいます。この辺りは緊迫感が出てきますよね。

その後、全身防護服の兵士が入ってきたり、実はこの中にバイオテロの犯人が
いるんじゃねーの的な疑惑要素
があったりするのですが、基本的には凶暴化した
感染者との戦いが中心となります。

でかいお化け屋敷アトラクション。

空港の、しかも貨物倉庫みたいな場所なのであまり馴染みがなく、どっから
何が出てくるのか、主人公グループが何をしているのかがわかり難くなっています。
そこで、それこそどこからとも無く現れる不親切な感染者との追っかけっ子を
するのですが、どうもこれがアトラクションっぽくなってるんですね。

その後も出口を探すサバイバルと『事の真相』に近づく描写が続きます。

結果、オカルトや宗教的な要素で『スピード感とおどろおどろしさ』を融合させた
オリジナル版とは違い、
今回の事件は人類を粛清したいテロ組織の仕業だったんだよ!
な、なんだってーー!

という感じのアメリカン仕様になってしまいました。
じゃあもうブルース・ウィリスやスティーヴン・セガールに解決してもらおうよ。

また、特にオチのないラストを迎えてしまったのですが、オリジナル版の三作目が
出た時にはどうなってしまうのでしょうか?

ひとり歩きを始めたハリウッド版がどこへ向かっていくのも楽しみです。

ちょっと小賢しい脚本ですがシリーズのファンやゾンビファンなら余裕の質感です。
お化け屋敷映画として素直に楽しむと良いのではないでしょうか。



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