ホステル3
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ホステル3 [DVD] ホステル3 [DVD]
(2012/02/22)
ブライアン・ハリセイ、キップ・パルデュー 他

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★★☆☆☆

主人公の結婚前の“独身さよならパーティ”として、カーター(キップ・パルデュー)
ら男友達4人はラスベガスで落ち合う。 彼らがギャンブルを楽しんでいる最中、
セクシーな女性2人に誘われ、カーターら4人は現地のタクシーで、あるプライベート・
パーティに参加する。  パーティで行方不明になったマイクに会うためホステルへ向かうと
なぞの集団に拉致されてしまう。たどり着いた先が、人が人を拷問し殺すことが出来る、
会員制の“エリート・ハンティング・クラブ”だったー。

キップ・パルデュー(『タイタンズを忘れない』、『ドリヴン』など)
ら出演で贈るシチュエーションホラーの第三弾。

カレーを食べようとしたらハヤシライスどころかお茶漬けだった。

舞台をアメリカに移した本作、この時点でどうしても雰囲気が足りません。
血生臭さ、鉄分、無機質、不条理加減、そしてなんといっても圧倒的な
絶望感を感じさせない内容になってしまいました。

いえね、もちろん今作の内容だってそりゃ残酷ですし怖いですよ。
もし自分が”彼ら”なら、そう考えるととっても痛いし恐ろしい。
でも血液や脳幹に響くような恐ろしさはパタリとなくなってしまっていましたね。

欧州の片隅とも言えるスロバキアでひっそりと、しかし組織的に行われている
殺人クラブ『ハンティングクラブ』。
国籍を問わず、人体を「あれやこれや」したいという変態狂人が集まったクラブで、
その犠牲となるのは足のつきにくいバックパッカーたち。
彼らが誘拐され、連れ込まれるのは圧倒的な暗さと重厚感のある”別空間”。
そこで行われる拷問は想像を絶する残酷さで生まれてきたことさえ後悔しそうな
絶望に襲われることになってしまう。

というシリーズ一作目の空気感は今回はありません。
ハンティングクラブも、悪趣味な金持ちの集団という程度になってしまってます。
そのクラブの運営方法や場所、設定などすべてが穴だらけ。

ストーリーや映像も本当薄味になってしまいました。
まぁ二作目もなかなかに豪快だったんですが雰囲気はありましたからね。

致命的なのはキャラクターも生かされていないこと。
主人公の友達グループは個性がほぼ皆無でしたし、女性キャラなどは存在意義も不明。
敵キャラにいたってもぱっとせず、目的も良くわからない役どころです。
特に主人公の友達にいた松葉杖の彼、冒頭から見せつけるように松葉杖をちらつかせる
シーンが有ったにもかかわらず最後までノータッチ、完全なるすかし、すかしであります。

さてさて、あんまり薄味だの血液や内臓見せろだの言ってると精神を疑われてしまいそうですね。

しかしですね、『ホステルシリーズ』や『クライモリシリーズ』、『ハロウィン』や
『悪魔のいけにえ』などなど、世界的にも非常に大きな人気があるのも確かです。
もちろん、これらはスプラッター映画をスプラッター映画として楽しめる人向けのもの。
決して心に溜まった性癖やフラストレーションを発散させる為の素材では無いのです。

ただし、人の持つ野次馬根性というか怖いもの見たさというか、そういった時に
興奮物質が分泌されるのは確かなんですよね。

非日常的事象に対して関心が向くのは人間の本能だそうですが、事件性が物騒で
あれば物騒なほど人の気持は沸きたち、皆が揚々に話題に挙げる光景はなにかこう
人々の心に眠っている「何か」を感じさせますね。

こんなのはホステルじゃない、もっと恐怖を、もっと血を…。
という風に突き詰めていくと…我々はどこに向かっていくのでしょうか。
え?なにこの世にも奇妙な風の語り口は。

あ、映画ですがホステルファンは落胆する内容です。
全体的な作りとしてはただのB級ホラーファンであれば観れるないようなので
暇つぶし程度に勧めできますです。



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