ステイク・ランド
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ステイク・ランド 戦いの旅路 [DVD] ステイク・ランド 戦いの旅路 [DVD]
(2011/08/05)
ニック・ダミチ、コナー・パオロ 他

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★★★★☆

ヴァンパイアが蔓延る世界。アメリカ合衆国の秩序は崩壊し、大都市はすべて壊滅。
大統領も職務を放棄して逃亡し、生存者が生活できる場所はごくわずかだった。
そんなある日、家族と暮らしていた少年マーティンの家もヴァンパイアに襲われ、
かろうじてマーティンだけが、ミスターと呼ばれるヴァンパイア・ハンターに助けられる…。

これはかなりの良作でございます。

ちょっとミッキー・ロークっぽい感じのヴァンパイアハンター役、ニック・ダミチ。
そして彼に助けられ助手として共に旅を続ける少年を演じるコナー・パオロ。
ほとんど聞いたこと無い二人ですが非常に面白いロード・ムービーを見せてくれます。

この映画の中での世界はもうヴァンパイアで溢れかえっており、生き残った人々は
ところどころに存在する集落で外敵から身を守りながら生活しているんですね。
その外敵というのがやはりヴァンパイヤ。吸血鬼です。
見た目は人型ですが、残忍で凶暴、そしてかなりのハイパワーが炸裂します。

北斗の拳でいう一般人とジードの関係に近いですね。
あ、でも牙が生えてるから牙一族か。

彼らにやられた人はやっぱりヴァンパイヤになってしまう設定で、
人としての意思を失うとともに骨格も強靭になり、牙や爪が生えてきます。

こいつらだけならともかく『我らこそ正しき神の使いなりー』という狂信者、
「ブラザーフット」という集団が各地に存在し、神の名のもとにあらゆる悪事を働いています。

北斗の拳でいうラオウ軍みたいな奴らです。
まさに『ヒャッハー』といわんばかりに悪いことばっかりしてるので呆れます。
特に集落にわざと吸血鬼を投下したり突っ込ませたりするのがとってもゲスでした。

今作のような三つ巴構成のホラーというのは今までも存在したのですが、この作品ほど
登場人物を大事にした人情味あるロードー・ムービーは無かったかと思います。
デンゼル・ワシントンの『ザ・ウォーカー』のようなザリザリした雰囲気もありますね。

ただ、各主要登場人物の味がいいだけに、後半はかなり厳しい内容になっています。
思わず目を覆ってしまいたくなりました。

低予算だとは思いますが全体的な雰囲気作りがうまく、街や各所の荒廃具合も良好です。
設定や世界観を映像化するセンスって大事なんだなぁと痛感できる作品かと思いました。
怖さや迫力だけではない見所が満載の映画です。

いろんな謎やすっきりしない点もある映画なのですが、余韻として楽しむと良いアル。



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