クライモリ デッド・パーティ

クライモリ デッド・パーティ
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クライモリ デッド・パーティ [DVD] クライモリ デッド・パーティ [DVD]
(2012/12/05)
カミラ・アーフウェドソン、ロクサンヌ・マッキー 他

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★★★☆☆

小さな町のハロウィーン・パーティに訪れた5人の若者たち。だが突然彼らを
襲撃した謎の男と喧嘩になり、共に保安官に捕まって留置されることに。実はこの男、
“奴ら”と共謀して殺人を繰り返す凶悪犯だったのだ! 男を助けるため“奴ら”は1人、
また1人と邪魔な人間を殺しながら近づいてくる。果たして、若者たちは生きて帰ることが
できるのか――。

恐ろしいほどの劣化。

どうしたどうしたクライモリ。
スラッシャー系ホラーになりますとどうしても作を追うごとに劣化して
しまいますね。作品ごとに前作の二番煎じになってはいけないという事情は
わかりますが作品の筋とも言える部分も壊してしまってはしょうがないですね。

『深い山奥という閉ざされた場所でバカンスや自然を楽しむ一行を
街中では考えられないような禍々しい悪意が襲う』という圧倒的な不条理さ、
そして知性やモラルが一切欠如した恐ろしさとビジュアル表現が売りだった
このシリーズもずいぶんと劣化してしまいました。

やはりパワーがあったのは1作目2作目までといったところなのでしょうね。
例のクライモリの住人さんたちもただの病的な不細工みたいになっちゃってます。
妙に狡猾で生理的なダメージというのもあまり与えられませんでした。

あ、でも不細工の一人が内田裕也を彷彿とさせるビジュアルなので
思わずシャケナベイベーと言いたくなるかもしれません。

特にひどいのは若者のご一行。つまり生け贄さんたちの活躍なのですが、
本当感情移入のできないドン臭い奴ばかりで呆れます。

ロケーションにも無理があります。
なんていうかすでに「森」でもなんでもなく町中。町中なのであります。

森の住人たちのボスとおぼしきキャラクターを拘留した警察署が
不細工殺人鬼に襲撃されるというのがメインですが、いつから彼らはそんなに
義理人情に厚くなってしまったのでしょうか。

しかも街の発電所を襲撃して停電させてからじわじわと若者一行を消して
行くという知性たっぷりの周到さにも疑問を覚えてしまいますね。

唯一殺し方だけは色々と種類のある映像が集まりましたが、いちいちその
準備を不細工住人たちがせっせと用意する姿を想像すると笑えてきます。

え?このタイミングなら逃げれるじゃん。
こうすれば勝てるじゃん!?

そんなシーンが多すぎるのもしんどいですね。
普段はそんな突っ込みは野暮というものですしB級映画にそれを求めるのも
筋違いなのですが、本作についてはちょっと多すぎました。

ですが、それもこれもクライモリという看板を掲げているからでしょうね。

普通のホラー映画、スプラッター映画として見るにはそれなりなのだと思います。
映像の質自体や演者の見せ方なんかはB級作品として及第点ですので
広い心で楽しめさえすれば十分に許せるとは思います。

シリーズのファンはその辺りを念頭にレンタルする必要があるでしょう。

まぁロッケンロールで許してやってください。



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