遊星からの物体X ファーストコンタクト

遊星からの物体X ファーストコンタクト
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遊星からの物体X ファーストコンタクト [Blu-ray] 遊星からの物体X ファーストコンタクト [Blu-ray]
(2013/01/09)
メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン 他

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★★★☆☆

1982年、コロンビア大学の考古学生物学者のケイトは、急遽、南極のノルウェー観測隊の
基地へ調査に飛ぶ。氷塊に閉じ込められた謎の生命体を調べるためだ。しかし “それ”は、
10万年の時を超えて生き返り、隊員たちを次々に襲って同化していく。いったい誰が人間で、
誰が“それ”なのか。疑心暗鬼の中でケイトは生き残る道を探るが、すでに隊員の多くが
“怪物化”していたのだった…。

『リンカーン/秘密の書』や『ダイ・ハード4.0』メアリー・エリザベス・ウィンステッド
の他、『デビルクエスト』、『ザ・バンク 堕ちた巨像』のウルリク・トムセン、
『ガフールの伝説』、『スモーキン・エース』のジョエル・エドガートンらが
活躍する『遊星からの物体X(1982)』のリメイク作品(前日譚)。

ウニョウニョキシャーーーー!!

さてさて、もはや伝説化してしまっているジョン・カーペンター作の同名作品の
リメイク(前日譚)となる本作、大きな期待を抱えてご覧になられた方も多いでしょう。
まぁ実際は82年の遊星からの物体Xもリメイク作品なんですけどね。

さて、内容としましては結構置きに行った感じのモンスター映画になっていた印象。
82年版の「物体」がどちらかと言うと心理戦や擬態の恐怖を描いたものであった
反面、今作の「物体」はまさに凶暴、傍若無人な振る舞いで大暴れしてきます。

こうなると銃撃戦や火炎放射器でてんやわんやになるのが当たり前ですね。

確かにCGや特殊メイク、造形物の技術は格段に上がっていますがここまで
普通に大暴れしてしまうと「エイリアンシリーズ」を始めとするSFモンスター
ものとの区別が難しいような気もします。

南極基地の閉塞感や外界との疎外感、そして圧倒的な空気の冷たさが本作では
随分減ってしまった印象でした。

イマイチ絶望感みたいなものがなく、主人公らの振る舞いも思慮が足らないような印象。
ついでにいうと意外と登場キャラが多いのでキャラが立っていない人については
もう誰がなんだかよくわからなくなりますね。

とはいえ。

82年版をオマージュしたシーンとか設定については数多く存在してましたので
それなりのファンサービスを感じることができます。
また、逆に「普通のエイリアン映画」として観ることができたなら、それは
それで十分に楽しめる演出や映像が詰まっている作品かと思いました。

モンスターの造形についても多くはとてもおぞましいまさに異形の物体。
甲殻類っぽいのか、昆虫型なのか、はたまた爬虫類っぽいのか…寄生型という
本来の形を持たない恐ろしさがあふれていましたね。
人間と同化途中の「物体」については笑えるぐらい気持ち悪いです。
それが圧倒的な獰猛さで襲い掛かってくる恐怖というのは感じられました。

が。

ラスト周辺で登場したあいつ。あいつだけは許さない。
胴体に人間の顔がくっついた二足歩行型の昆虫みたいなあれ。

非常に滑稽で馬鹿馬鹿しい。CGに変に頼るとああいった無様なデザインが
生まれるのでしょう。あのせいで随分質感が下がってしまった感じです。

最後にヒロインがとった行動もについてはいい感じに疑心暗鬼が表現された
シーンだったと思います。
エンドロールのヘリコプターシーンは誰もが予想できるシーンでしたね。

ということで、本作の見方としてはカーペンター版作品のファン目線では
なく、純粋にモンスター・パニック映画として楽しめれば○かと思います。
あくまで前日譚なので「あぁ、こういう大事件から82年版に繋がったんだなぁ」
と広い心で受け止めてあげる事が大切です。



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