SUPER 8/スーパーエイト

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SUPER 8/スーパーエイト ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray] SUPER 8/スーパーエイト ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
(2011/12/02)
ジョエル・コートニー、エル・ファニング 他

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★★★☆☆

1979年。オハイオの小さな町に住む14歳のジョーは、仲間たちとの8mm映画
作りに没頭していた。ある日、真夜中に家を抜け出し、駅に忍び込んで撮影を
していた彼らは、貨物列車が脱線・炎上する大事故を目撃してしまう。
まもなく町に大挙してやってきたのは、武装した空軍関係者。あの列車で、
空軍は極秘裏に“なにか”を運んでいたのだ。やがて町では、飼い犬が姿を消し、
車のエンジンのみが盗まれるなど不可解な事件が続発。さらに9名の行方不明者が
出るなど、事態はどんどん深刻になっていく…。

エル・ファニング(『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、『バベル』)ら子役が
大活躍するSF大作です。
カイル・チャンドラー(『キングダム/見えざる敵』、『地球が静止する日』)ら
ベテランも存在感を出しております。

なんて強引な作品なんだ。

スタンド・バイ・ミーやE.Tを彷彿とさせる素材はありつつも完成形は
全くの別物。良く言えばオマージュ作品。悪く言えばいいとこ取りのガラクタ。
どこに感情移入していいのか分からないというのが印象的で、
ちょっと見る側の視点も安定しない映像だったような気がします。
同調すべきは主人公たちの冒険心?宇宙人?それとも親子愛だったのか…?

しかしまぁ難しいところですよね。
個性豊かな子供たちによる冒険活劇→『スタンド・バイ・ミー』、『グーニーズ』など
子供らを含める街の人々が少しずつ別世界の存在に触れていく→『未知との遭遇』
心優しい宇宙人と少年らとの交流を描いた感動作→『E.T』
凶悪な宇宙人と軍隊との死闘→『宇宙戦争』、『インデペンデンス・デイ』など

これらすでに存在している映画とかぶったらダメなわけですし。

でも混ぜたらあっかん~。混ぜたらあっか~ん~。
二時間未満で観客を納得させる力を持った脚本ではなかった…かな。

致命的なのは宇宙人に感情移入できなかったところですよね。
造形もちょびっとだけE.Tの面影を残しつつも凶悪そのものだし心の
優しさも感じない。それどころか無駄な殺戮シーンが目立ったのが印象的。
強盗殺人に破壊行為と連鎖させた上でいきなり感動のラスト・シーン!
って言われてもちょっと何言ってるのか分からないです。

いらない設定も目立った本作ですが、良かったのはやっぱり子供たちですね。
ただ単に怯えたりうろたえたりと、子供としての立ち回りだけをする
キャラクターではなく、色んな個性を持った成長過程の子供たちが登場
しているのがとても楽しかったです。
主人公ジョーとアリスの恋物語も可愛くて良かったけど、おデブちゃんや
火薬大好き少年などのキャラクターも良かったですね。

そして、不思議な懐かしさも感じる映画でした。
まぁ舞台や各所の小道具も古いからそりゃそうだってなるかもですが。

強くお勧めはしませんが観て損のある映画ではないです。
『グーニーズ』や『スタンド・バイ・ミー』が観たくなる人が多そうだなぁ。

あ、エンドロールはとっても楽しいです。
ゾンビ映画ファンには嬉しい小ネタも含まれていますね。



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