ロンゲスト・ヤード

ロンゲスト・ヤード
Pocket

★評価★★★★★

超がつくほどの豪華な俳優陣による監獄スポーツ映画です。
アダム・サンドラー、クリス・ロック、バート・レイノルズ、ウィリアム・フィクナーなどなど挙げればキリがありません。

冒頭、ファッション業界の重鎮であるリッチな彼女のヒモと化したもとNFLの人気選手のポールが、やけっぱちの飲酒運転から逮捕、投獄されるところから始まります。

その先は趣味と自身への注目や支持率獲得のために、看守を中心とした選手で構成したフットボールチームを運営している刑務所長ヘイズンと出会い、自身のチームの強化のための協力を申し出られます。当初は断るポールですが、刑務所内での立ち位置の確保のために渋々了承、しかしその方法は、当て馬となるチームを自ら結成して接待試合を行うと言うもの。それにより看守チームに自信を持たせるための八百長試合を提案します。

反目する看守たちをよそに刑務所長の了承を経たポールは刑務所内、もちろん囚人から選手を選抜していきます。
出会うのは個性が超豊かな囚人たち。日本でも大人気のボブサップ、プロレスラーのダリップ・シン、ビル・ゴールドバーグの他、もとフットボールプレーヤーのテリー・クルーズなどをそれぞれの特徴に合わせた登用方法で集めて行きます。最初は反感しかなかった黒人派閥の囚人チームが、次第に主人公への目線を変えて行くシーンや、オカマのチアチームが結成されるいわゆる「おかず」となる場面が気持ちよく盛り込まれ、非常にテンポよく観ることができます。

刑務所内でありながら、やり取りの軽快さやそれぞれの絆の構成が気持ちいい。
もちろんそれが面白くない看守チームの陰湿な嫌がらせや暴行、生死がかかった罠などの妨害工作が盛り込まれ、場面場面でハラハラさせてくれました。

チームも構成され、練習に打ち込むメンバーたちの友情や絆が仕上がって行く様はキアヌ・リーブスの「リプレイスメント」なども思い出させてくれます。

一方の看守側も、ケビン・ナッシュやスティーブ・オースチンなどが絵面を盛り上げてくれます。
私が知らないだけで他にもプロレスラーやフットボールプレーヤーが登場していそうですね。

さて、悲しい事件も盛り込みながらあれよあれよと試合当日。なんとそのゲームは応援席も開放。スタジアムから全国放送されるという大変豪華なものでした。
これまでに看守から受けた「かわいがり」への復讐に燃える囚人チーム、一方で意地と権威を守りたい看守チームが大迫力でぶつかり合います。
ゲームシーンもとてもわかり易く、要所要所でいろんなキャラクターが活きていたので本当に見ていて楽しかったです。
アメフト知らなくても超おすすめですね。

ネタバレ

最後まで主人公を追い詰めたのは刑務所長ヘイズン。
接待試合のはずが看守チームを追い詰めて行く主人公に対し、完全なる脅迫を仕掛けてきます。
一生の投獄生活がかかった主人公の気のゆらぎ、そしてチームの為への勝利への決意、その様はスポ根映画さながらでした。
ウィリアム・フィクトナー扮する看守が、その主人公の精神力に脱帽するシーンなど、最後まで美味しいおかず満載の映画です。

スポーツ・サクセス映画カテゴリの最新記事