海底47m

海底47m
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★評価★★★

失恋を機に妹ケイトと共にメキシコ旅行を楽しむリサ。
旅の途中でもテンションは上がりきらず、夜中海を見ながら涙する始末。

一方活発なケイトはそんな姉を元気づけるために夜の社交場へエスコート。
そこで出会うメキシコ系イケメンの二人組。すぐに意気投合した彼らがアクティビティとして紹介したのがシャークケージダイビング"。
「動物園の逆」という彼らの表現そのままに、ダイバー側が檻の内側からサメを観賞するそれ。

このあたりで初めてサメの姿を見せてくれるのですが、これがまた普通に大迫力で怖い。
過剰な恐怖演出ではなく、生き物としての巨大さやサメ特有の無機質な怖さがとても良く出てきました。

餌の血肉に群がる巨大なサメを前に恐れおののくリサだが、最後はやや強引なケイトの誘いで海中へと身を沈めます。
緊張は残しながらも初めて眼前に広がる美しさ&迫力の体験に二人のテンションもがん上がりに。

いざ浮上というタイミングでケーブルが切れ、るどころかもうクレーンごと落下します。
ボロい。ボロすぎます。

ここからしばらく登場人物は主人公姉妹二人となるのですが、これがもう見ていてとっても息苦しい。
救いなのは「オープンウォーター」シリーズのように馬鹿な言い合いなどが起こらないこと。
窮地にも互いを励まし合い続け、なんとか生きようとする二人を緊張感いっぱいで応援できます。

中盤から、巨大なサメと対峙したり、無線での呼びかけを続ける二人ですが、ここであえて海上のシーンを挟まないのところに意地悪さを感じました。
海上の男連中は二人を案じているのか、救助のための策を実施しているのか、そんなことを常に考えながらの観賞となります。

序盤で登場するイケメン二人組、そして船のクルー二人ですが、船長は寡黙だし助手はケイトたちをあえてわからないように"白人女"と蔑称で呼び捨てるなど、あとに響く"怪しさ"があるのです。

ボートに乗る前の二人も、案に『ホテルを通さないアクティビティ』である点を強調しており、『今回の事故で男性連中が逃げてしまったと時に、誰も二人の事故を知ることがない』という恐怖を演出していました。

最初から最後まで視界の悪さ、通信が届かない孤独感、サメへの恐怖、酸素残量などなど、ことごとく緊張と絶望感が続きますので見ていてとても窮屈でした。「自分がこうなら、、」なんて考えたらそれはもう背筋が凍るよう。

夏の暑さにぴったりな良作サメホラーです。

ネタバレ

終盤になると演出の意地悪加減もMAXですね!

予備ケーブルで良いところまで引き上げられるも、再度海底へ叩き込まれる二人。
それでも諦めない二人を容赦なく襲うサメたち。

機転を利かせてサメを退けながら海面へ浮上し、満身創痍だがすんでのところで助けられるシーンはまさかの幻覚…。
その後も海面の光・主人公の表情・しつこいほどのスローモーションなどで結局どーなんねん!ってのをギリギリまで引っ張ってくれました。

続編ももうすぐ公開とのことで、楽しみにしております。

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