THE INFORMER 三秒間の死角
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★評価★★★★

監獄系ドラマ仕立てです。全編通して鉄臭く、緊張感を持って観賞できました。
歳を重ねるごとにこういったハラハラドキドキ映画は見づらくなって来たのですが、
主人公がとにかくイケメンでとんでもなくスタイルが良いことから、目の保養をしつつ楽しむことができました。

主人公含め、「キャラ映画」とも感じました。
冷酷かつ狡猾なFBIにクライヴ・オーウェン。頭で動くのか、心で動くのかを最後まで静かに熱演するロザムンド・パイク。無骨で粗暴だが義を重んじる刑事にコモンがあてられるなど、それぞれちょうどよい濃さつつ見せてくれるメンバーで楽しませてくれます。

脇にも、可愛く行動力のある奥さん、その本当の怖さが不明な"将軍"こと敵のボス、刑務所内の個性豊かな囚人たちが固められ、監獄内での主人公の希望や絶望をうかがい知る事ができました。

当然主人公も顔だけじゃない魅力が満載です。
とある複数の策略・謀略、そして運の悪さに巻き込まれる形で、自らの古巣でもある「刑務所」へと収監されることになるピートですが、その立ち回りには眼を見張るものがあります。

目の前の出来事を分析する洞察力。
トラブルや危機に即応する判断力。
単純な戦闘能力。

そのどれもが並以上の謎のチンピラです。
特に、クライマックスで警官隊の狙撃手の射線を測った上でのスピード感ある対応は手に汗握りました。
シーン内では軍隊経験、及び狙撃手としての実績などがほんの数行語られるに過ぎませんでしたが、原作ではどうなのでしょう。

その他にも結構端折ったかな?と感じるシーンもあるのですが、つなぎ方が良いので
あとのシーンでちゃんと納得できることが多いです。

総じてとても楽しめるエンタメ監獄ムービーでした。

と、五年ブランクありの駄文。失礼いたしました。

ネタバレ

ラストで家族との再開を果たすかに見えた主人公。
しかし、「容疑者」「脱獄犯」であることは変わらず、すんでのところで奥さんと娘との再開を断念するにいたりました。

考えてみると、いかに協力者がいたところで主人公一家が幸せになる素材は揃っておらず、
主人公を監獄に送った張本人はほぼノーダメージ(甥は死に、市場は減ったか)。

もしや続編が視野にあるのかも…?
そうであれば既視感のある監獄にこだわらず、とても勝手な思いですが「キャラ映画」全開でスタイリッシュに楽しめる作品になるといいなぁ。

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